建設物価とは?建設物価指数や活用法・導入するメリットなど解説

建設物価とは?建設物価指数や活用法・導入するメリットなど解説

この記事では積算を行う上で大切な建設物価について説明します。

また建設物価指数やその活用法、積算に導入するメリットなどについて詳しく解説します。

積算の仕事に興味がある方や、もっと効率的に積算の仕事を効率的に行いたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

建設物価とは?

建設物価とは?

積算の仕事をしている人で建設物価について知らない、という人はほとんどいないでしょう。

積算の仕事をする上で重要な建設物価をより有効に活用するために、概要から詳しく説明します。

「月刊 建設物価」で発表される物価

「月刊 建設物価」とは、一般財団法人建設物価調査会が月に一度発行している書籍です。

建設工事に関わる各資材の価格や労務費を全国のエリアごとに毎月確認し、結果をまとめて掲載しています。

建設物価は標準的な単価をエリアごとに発表しているため、民間工事や公共工事でも見積りの際は、その数値を根拠にして積算を行うことが多い状況です。

また書籍だけではなくWeb版もあり、使用しやすくなっています。

建設資材物価指数も覚えておこう

建設資材物価指数とは資材の価格の動きを指数で表したものです。

資材価格の動きを月ごと、エリアごとに指数で表しており、それぞれの動向を理解することが可能です。

対象となるものは建設工事の直接資材で、メーカーや問屋を対象に規模が大きな取引先向けの価格を確認しています。

直接資材が対象となるため、機械のリースや修理などの費用は対象外となっています。

要するに建設の工事に使用される直接資材の価格の動きについて、時系列指数と都市間格差指数で表されるものです。

(参考:一般財団法人建設物価調査会 建設資材物価指数について

建設資材物価指数と建築費指数の違い

次に建設資材物価指数と建築費指数の違いについて説明します。

一番大きな違いは先程説明したように、建設資材物価指数は直接資材のみを対象としています。

建築費指数は資材に加え、労務費や工事費なども含んだ建築費自体を対象とした指数です。

建築費の推移を月ごとやエリアごとに確認することができます。

(参考:一般財団法人建設物価調査会 建築費指数について

積算における建設物価の活用法

積算における建設物価の活用法

どのように建設物価を活用できるのか説明します。

具体的には以下の3つの活用方法についてです。

  • 市場単価方式で積算価格を算出する
  • 建設物価指数を用いて将来の建設物価を予測する
  • 積算ソフトで建設物価を読み込みできる

それでは詳しくみていきましょう。

市場単価方式で積算価格を算出する

公共工事の積算は歩掛で算出し、積み上げていくことが一般的な方法でした。

一方、労働者の高齢化や技術の進展、工事の多様化などが背景にあり、現在では合理的な積算を行うことが重要です。

そのため、国土交通省は市場単価方式を導入しています。

つまり市場単価がある場合には、その数値を用いて積算をするように規定しています。

市場単価は資材価格や労務費、経費などが含まれる施工単位あたりの取引価格であり、エリアの状況も考慮されているため、工事の積算価格に直接適用することが可能です。

さらに、新しい工事方法や技術を採用する際に、歩掛は無くても市場価格はある場合があります。

このため、新しい工事方法での経験が乏しい時は、市場価格を利用することで簡単に積算することができます。

市場単価方式では工事手法の変化や社会の経済状況の変化も価格に反映されており、実態に近い価格で簡単に積算ができるというメリットがあります。

自社の施工単価が高く乖離が大きい場合には赤字になる場合もあるため、注意しましょう。

建設物価指数を用いて将来の建設物価を予測する

建設物価指数は以前より市場の調査を行った上で、価格が変動する推移を表しています。

建設物価の単価を調整することで、現実的な予測を行うことが可能です。

過去のデータを元にして、価格の推移を調べてみると、過去の価格変動の理由が見えてきます

その時代背景などを参考にすることで、現実的な建設物価を予測することが可能です。

今後の建設物価を予測した上で、積算を行うことにより、利益が確保できる可能性が高まるでしょう。

積算ソフトで建設物価を読み込みできる

積算ソフトを利用すれば建設物価の資材単価を簡単に読み込み、活用することで、見積もりを作成することができます。

毎月更新される建設物価の変化にも対応することができ、最新の単価に対応した見積もりを作成することが可能です。

しかし、建設物価の価格が、実際の仕入れ単価より大幅に安い場合には注意が必要です。

そのような場合には、建設物価にある比率を掛け、自社の仕入れ単価と近い数値となるように、調整しましょう。

原価の掛け率と提出時の掛け率を登録しておく機能がありますので、利用するととても便利です。

損をしないためにも、価格の動向をしっかりと予測して掛け率を設定しておくことが大切です。

また積算ソフトによって機能が様々ですが、無料体験できるソフトも多くあります。

自分にとって使いやすいソフトを探してみてはいかがでしょうか。

その他、積算ソフトについては以下記事でも詳しく解説します。

soft1 積算ソフトはなにがいい?無料と有料それぞれのおすすめソフトをご紹介

積算で建設物価を導入するメリット

積算で建設物価を導入するメリット

次に積算で建設物価を導入すると、どのようなメリットがあるのか説明します。

具体的には以下の3つについて詳しくみていきましょう。

  • 社会情勢を反映しやすくなる
  • 積算業務の効率化につながる
  • 積算価格の透明性を高めることができる

社会情勢を反映した価格設定にする

建設物価は資材の価格や労務費が毎月公表されており、その数値は社会情勢を反映したものとなっています。

毎月更新される最新の建設物価を導入し、見積りをすることで、社会情勢を反映した価格設定にすることができるというメリットがあります。

積算業務を効率化できる

積算業務で歩掛を用いて、一つずつ手作業で計算を行うと、とても手間が掛かる上に、計算ミスやケアレスミスが起こる可能性が高くなるでしょう。

従来では自社の仕入単価を中心に見積を作成することが多かったですが、自社の仕入単価を管理し続けることは非常に大変な業務です。

近年では見積を作成する際に建設物価の単価を利用する企業が多くなっています。

毎月最新の建設物価の単価を用いて積算することで、計算をする手間が省け、効率化を実現できます。

また積算ソフトを活用することで、単価の設定や更新などの作業を簡単に行うことができ、さらに業務効率を高めることが可能です。

積算価格の透明性を高められる

建設物価を導入することで、公表されている市場単価を利用した積算であり、根拠が明確になります。

そのため、工事業者間での取引においても積算価格の透明性を高めることができるというメリットがあり、従来よりも適正な価格での取引が可能となります。

まとめ

まとめ

この記事では積算を行う上で大切な建設物価について詳しく説明しました。

積算における建設物価の活用法や建設物価を導入するメリットについても解説しています。

建設物価を有効的に活用できれば、最新の市場単価を用いて積算でき、それだけ精度の高い見積を作成することが可能です。

また業務の効率化も実現することもできます。

これから積算の仕事に取り組んでみたい方や、もっと積算の仕事をスキルアップさせたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。