積算をする際には積算ソフトがあると、非常に便利です。
しかし、積算ソフトは種類が多く、どれを使えばいいのか困っている方もいらっしゃると思います。
この記事では、無料ソフトと有料ソフトそれぞれ具体的に紹介します。
どのようなソフトを選べばいいか分からないという方はぜひ参考になさってみてください。
この記事の内容
積算ソフトとは
そもそも積算とは、建築工事を行う前に設計図や仕様書から材料や数量を拾い出し、工事費用を算出することです。
精度の高い積算を行うためには、高い専門性が必要です。
例えば建築資材の種類や工事の工法や業界の専門用語など理解しておく必要があります。
専門的な知識と経験を元に、正確な積算を行い、それを元に利益を上乗せし、見積りを取らなければなりません。
積算の精度が低いと、工事を受注できない可能性が高くなり、工事を終えてみると想定していたよりも利益が少ないというリスクもあります。
積算ソフトは資材や工程、工法などの種類や単価といった専門の知識に加えて、正確な計算をサポートしてくれます。
例えば積算ソフトは以下の内容等について見積作業をサポートすることが可能です。
- 図面から必要な資材の数量を拾い出すこと
- 拾い出した数量に単価を掛けて費用を出すこと
- 積算に決まった利率を掛けて見積もりを作成すること
積算ソフトを導入するメリット
積算は一つ一つの部材や工法を拾い出し、積み上げて算出する非常に手間のかかる作業です。
しかし、積算ソフトは積算業務を正確にサポートしてくれるため、導入するメリットは大きく、多くの企業が導入しています。
例えば、以下のようなメリットが挙げられます。
- 業務工数を削減できる
- 単価を一元管理できる
- 過去のデータの呼び出しや管理
- 分析が可能
- 設定の自由度が高い
- 他のシステムと連携できる
- 現場で確認できるクラウド対応ソフトも充実
それでは具体的に見ていきましょう。
業務工数を削減できる
積算ソフトは業務の効率化を進めることができます。
複雑な計算を自動で行うことができ、また図面から必要な材料や数量を拾えるため、積算に必要な工数を削減することができます。
積算ソフトには他にも便利な機能はたくさんありますので、使いこなすことで、大幅に作業時間を削減し、効率よく業務を行うことが可能です。
なお、積算の仕事内容についてなど、以下記事で解説しています。
単価を一元管理できる
材料の単価を登録することで、単価を一元管理することができます。
資材や工程、工法の種類や単価も登録しておくことで、経験が少ない積算担当者でも正確な計算が可能です。
利益率を設定しておけば、積算した工事金額から見積額を簡単に算出することができます。
単価を一元管理できれば、積算の担当者が何人かいても、安定した利益率を確保した見積りを作成することが可能となります。
過去のデータの呼び出しや管理・分析が可能
積算ソフトには過去の積算データが蓄積されており、簡単に過去のデータを呼び出すことや管理・分析を行うことが可能です。
過去のデータを別現場の積算に利用することもできますので、スピーディーに業務を進めることができます。
設定の自由度が高い
積算ソフトは設定の自由度が高いため、毎回共通しているような項目は事前に設定しておけば、いつも同じことを入力しないで済みます。
例えば、内装工事であれば、壁紙の単価、床材の単価、施工単価など、事前に設定することで、積算にかかる時間を大幅に短縮可能です。
他のシステムと連携できる
積算のシステムと他のシステムを連携できます。
発注や請求ソフトと連携することで、積算と合わせて発注や請求も合わせて行うことが可能です。
発注や請求の際に、改めて別のシステムに数量など打ち込む必要もなく、便利な機能です。
現場で確認できるクラウド対応ソフトも充実
現場からもスマホやタブレットなどで確認できる対応ソフトも充実しています。
ネット環境があれば、会社に居なくても業務を進めることができますし、現場でも内容の確認ができて、クラウド対応ソフトは便利です。
積算ソフトを選ぶポイント
積算ソフトは多くの商品があるため、どれを使えばよいのか悩んでしまうという方も多いのではないでしょうか。
積算ソフトを選ぶときは以下のポイントを参考にしてみると良いかもしれません。
- 自社の工事に対応できるか
- 誰でも利用できるか
- サポート体制は充実しているか
- 他のシステムと連携できるか
それでは具体的に説明します。
自社の工事に対応できるか
自社で行っている工事に対応できるかどうかは必ず確認しましょう。
例えば工事の内容や規模によっては、階層機能に対応していることが重要になってきます。
階層を使えば工事の構成や費用が分かりやすく、明細も見やすくなります。
複雑な工事や希望の大きい工事をしている企業であれば、何層くらいまで階層を作成できるのか確認しておくとよいでしょう。
誰でも利用できるか
どんなに性能が良い積算ソフトでも、操作が難しければ、使いこなすことは難しいもの。
そのため操作方法が直感的で、分かりやすく使いやすいソフトを選ぶ事がポイントになります。
誰でも抵抗感なく利用できるソフトを選びましょう。
サポート体制は充実しているか
導入後のサポート体制が充実していることもポイントです。
積算ソフトを導入しても設定方法や操作方法が分からなければ、効率は上がりません。
操作方法について、メールや電話で対応してくれる連絡窓口があったり、遠隔操作での対応などを行ってくれる企業のソフトを選ぶことが重要です。
サポート体制については必ず確認しておきましょう。
他のシステムと連携できるか
積算システムが他のシステムと連携できるかという点はとても重要です。
発注や請求のシステムと連携できれば、一度積算システムに入力することで発注や請求の業務の際に改めて情報を入力する手間が省け、効率が良くなります。
積算ソフトは無料で利用できる?おすすめのフリーソフト3選
積算ソフトは無料で利用できて、そして便利なものが多くあります。自分にとって使いやすいものを探してみましょう。
特におすすめのフリーソフトを3つ紹介します。
- エクセル積算ソフト
- KENSEKI
- ざっくり建築費見積りくん
エクセル積算ソフト
エクセル積算ソフトは図面から数量を拾い出すことができるフリーソフトです。
自動計算で拾い出しをしてくれますので、電卓で計算する必要がありません。
工種や部屋別、シート別など24パターン以上の見積書を作成することが可能ですが、使用期間や使用回数に制限があり、それ以降は利用料金がかかります。
お試し感覚で使用してみて、使い勝手が良ければ継続して有料で使用することになるでしょう。
KENSEKI
木造住宅の内装工事での積算に向いているフリーソフトです。
壁や腰壁、床、天井、巾木などの数量を拾い出すことが可能です。
またそれぞれの仕上材を60種類まで登録できますので、異なった仕上材を使用する時の積算も容易に行うことができます。
データ入力や設計変更の再計算も簡単である上に、過去に作成した積算を再利用することもできます。
ざっくり建築費見積りくん
木造住宅(軸組工法)の見積りを行うことができるフリーソフトです。
「建築費=坪単価×坪数」の見積り精度を高めることができ、より正確な見積りが可能です。
スピーディーに概算見積りを作成できる点が魅力となっています。
しかし、体験版では一部の入力項目に制限がかかっているため、使い込んでいきたい方はシェアウェア版を有料で購入することが必要です。
有料の積算ソフトおすすめランキングTOP3
次に有料の積算ソフトのおすすめランキングを紹介します。
以下の3つの積算ソフトについて、詳しく見ていきましょう。
- 楽王シリーズ
- 見積エース
- Tetra21
楽王シリーズ
楽王シリーズはリーズナブルな金額で導入することが可能な積算ソフトです。
建築工事や電気、機械設備工事の概算算出にも活用されています。
導入後にもオンラインヘルプ窓口が設けられているため、安心です。
フリーソフトでは満足できない方はぜひ検討を進めてみてください。
見積エース
民間工事に特化し、小規模な工事から大規模な工事まで対応可能な積算ソフトです。
明細を工種別に分けることができるため、大規模な工事でも分かりやすい見積書を作成することができます。
また使いやすさを追求した操作性も魅力です。
簡易請求書作成の機能があり、請求業務も簡単に行うことができます。
Tetra21
建築や設備の新築やリフォーム工事をはじめとした、幅広い案件の見積業務に対応できます。
自社の見積業務に合わせてフィッティングできる自由度の高いシステムです。
また直感的に操作できるよう、工夫されており、短時間で見積り作成が可能となります。
さらに蓄積した過去物件のデータを利用することや、他システムと連携させることも可能で、効率よく作業できるソフトです。
まとめ
とても便利な積算ソフトですが、この記事ではどのような積算ソフトを選べばよいのか、ということについて説明してきました。
また無料ソフトと有料ソフトをそれぞれおすすめのものを紹介していますので、参考になさってみてください。
無料ソフトでも便利なものがたくさんありますので、まずは無料ソフトを使ってみて、物足りなければ、有料ソフトを検討するという流れでの検討をおすすめします。
必要な機能について考えた上で、ぜひ自社にピッタリの積算ソフトを探してみてください。