スーパーゼネコン5社を徹底比較!特徴や強みについて解説

建設業界で誰もが憧れる総合建設業界のゼネコン。ゼネコンにも売上の規模感に応じてさまざまな種類があります。

スーパーゼネコンは、その中でも特に最上位の年間売上高が1兆円を越える5社を指します。では一体どのような企業なのでしょうか。

そこで本記事では、スーパーゼネコンの強みや大手ゼネコンとの違いについて解説するので、ぜひ参考にしてください。

スーパーゼネコンとは

スーパーゼネコンとは、売上高が1兆円を越えるゼネコン会社を指します。日本全国には以下の5社しかありません。

  1. 株式会社大林組
  2. 鹿島建設株式会社
  3. 清水建設株式会社
  4. 大成建設株式会社
  5. 株式会社竹中工務店

特徴として、最新工法や技術を保有していることはもちろん、地域活動の幅も広く、大規模な工事も多いです。

例えば、東京スカイツリーや新国立競技場など、日本の代表的な建築物にもスーパーゼネコンが携わっています。

スーパーゼネコンと大手ゼネコンの違い

スーパーゼネコンと大手ゼネコンの大きな違いとして、会社規模が挙げられます。

スーパーゼネコンの基準は、売上高が1兆円を越えるのに対し、大手ゼネコンは3,000億円以上が基準です。

また、建築の売上比率の大きさにも違いがあります。スーパーゼネコンは建築の比率が70%程度に対し、大手ゼネコンは50%程度です。

これは、大規模工事の依頼が最先端の技術を保有するスーパーゼネコンに流れやすいことも影響しているでしょう。

ですが、これはスーパーゼネコンと大手ゼネコンの大きな違いの1つと言えます。

スーパーゼネコンの仕事内容

スーパーゼネコンは、工事の設計から管理までが主な仕事です。

まず、依頼を受けたら計画や設計の立案をします。

立案をしたらその工事が工期までに終えられるように、工事全体の管理を行います。

管理の仕事は、四大管理(工程管理・品質管理・安全管理・原価管理)と呼ばれており、ゼネコン施工管理職の柱です。

建築物のクオリティを担保しつつ自社の利益も求め、労働災害が起こらないように管理することもスーパーゼネコンの仕事の1つです。

そのほか、工事の資材や機器・重機の確保、近隣住民とのコミュニケーションなど、仕事内容は多くあります。

ですが、その分日本の伝統的な建築物に携わることや、その建築物が残り続けることなど、やりがいも多く感じられるのがスーパーゼネコンです。

スーパーゼネコン5社を徹底比較

それでは、スーパーゼネコンと呼ばれる5社の特徴や強みを比較していきましょう。

  1. 株式会社大林組
  2. 鹿島建設株式会社
  3. 清水建設株式会社
  4. 大成建設株式会社
  5. 株式会社竹中工務店

株式会社大林組

まずは、株式会社大林組です。

本拠地住所 〒108‐6101
東京都港区港南2‐15‐2
電話番号 03‐5769‐1111
設立年 1936年12月
従業員数 9,026名
売上高 1兆9,228億8,400万円

参照:doda

株式会社大林組は、1936年に設立され、2010年以降は東京に本拠地を置く会社です。

そのほかには、札幌や仙台、横浜、名古屋、福岡など日本に数多くの支店を置いています。

大林組の特徴は、国内の海外事業で1番のシェアを誇っていること

再生可能エネルギーや農業ビジネスの新事業開発にも力を入れています。

主な建築物として、東京スカイツリーや六本木ヒルズなどを手がけており、今後も国内外のさまざまな建築物に携わっていくでしょう。

鹿島建設株式会社

次に、鹿島建設株式会社です。

本拠地住所 〒107‐8388
東京都港区元赤坂1‐3‐1
電話番号 03‐5544‐1111
設立年 1930年2月
従業員数 8,080名
売上高 1兆3050億5,700万円
平均年収 1,128万円

参照:doda

鹿島建設株式会社は、1930年に設立され、東京に本拠地を置く会社です。

ゼネコン会社の中でもグループ会社が多く、日本と海外で234社の支店があります。

鹿島建設の特徴は、業界のパイオニアと呼ばれていること。日本トップの売上高を記録したことや、日本で初の高さ100m以上の高層ビルを建設したことなど数多くの実績を残しています。

主な建築物として、フジテレビや新国立美術館などを手がけており、今後もグループ会社と海外での不動産開発を拡大させていくでしょう。

清水建設株式会社

続いて、清水建設株式会社です。

本拠地住所 〒104‐8370
東京都中央区京橋2‐16‐1
電話番号 03‐3561‐1111
設立年 1937年8月
従業員数 10,688名
売上高 1兆2,873億5,200万円
平均年収 978万円

参照:doda

清水建設株式会社は、1937年に設立され、東京に本拠地を置く会社です。

清水建設の特徴は、医療福祉施設の受注が国内ゼネコンで1番を誇っていること

建築工事はもちろん、メンテナンスに強みをもっており、規模を問わず多くの建築物を請け負っています。

主な建築物として、横浜マリンタワーや歌舞伎座タワーなどを手がけているほか、大嘗宮という天皇陛下の即位に使用される伝統的な建築物にも携わっています。

今後は、女性の働き方改革への取り組みやアジア・ヨーロッパへの事業拡大で注目されるでしょう。

大成建設株式会社

そして、大成建設株式会社です。

本拠地住所 〒163‐0606
東京都新宿区西新宿1‐25‐1
電話番号 03‐3348‐1111
設立年 1917年12月
従業員数 8,579名
売上高 1兆4,095億2,300万円
平均年収 964万円

参照:doda

大成建設株式会社は、1917年に設立され、東京に本拠地を置く会社です。

そのほか建設事業だけでなく、不動産・開発事業やホテル事業などでグループ会社があります。

大成建設の特徴は、スーパーゼネコンのうち唯一の非同族経営であること。

事業拡大ではなく、現在の事業に力を入れて売上の向上を図っている会社で、大型の土木工事を強みに海外のインフラ整備も行っています。

主な建築物として、羽田国際ターミナルや新宿センタービルや新江ノ島水族館、新国立競技場などを手がけており、今後も日本を代表する建築物に携わっていくでしょう。

株式会社竹中工務店

最後に、株式会社竹中工務店です。

本拠地住所 〒541‐0053
大阪市中央区本町4‐1‐13
電話番号 06‐6252‐1201
設立年 1937年9月
従業員数 7,757名
売上高 1兆2,604億3,000万円
平均年収 827万円

参照:openwork

株式会社竹中工務店は、1937年に設立され、大阪に本拠地を置く会社です。

スーパーゼネコン5社の中で唯一の非上場企業になります。

竹中工務店の特徴は、建築工事に特化していること。

比率は建築工事90%程度でそのほかが土木工事となっており、この比率で1兆円越えの売上を出しているのは竹中工務店のみです。

主な建築物として、東京タワーや日本武道館、あべのハルカスを手がけており、今後も建築部門において竹中工務店は注目されるでしょう。

スーパーゼネコンへ就職・転職する方法

では、スーパーゼネコンにはどのように就職や転職ができるのでしょうか。

主な方法は3つあります。

  1. 資格取得や必要なスキルを身につける
  2. 実務経験を最低でも3年以上積む
  3. スーパーゼネコンへの就職率が高い大学へ進学する

資格取得や必要なスキルを身につける

施工管理技士や設計士、建築士などの国家資格を持っていると面接時に有利になります。

最低でも2級以上を取得しましょう。

スーパーゼネコンの就職に活かせる主な資格は、以下のとおり。

  • 施工管理技士
  • 設計士
  • 建築士
  • 建築設備士
  • コンクリート主任技士
  • 免震部建築施工管理技術者
  • CFT造施工管理技術者
  • 管理技術者

また、基本的なパソコンスキルはもちろん、コミュニケーションスキルやスケジュール管理能力、CADスキルなど、さまざまな能力が求められます。

実務経験を最低でも3年以上積む

スーパーゼネコンの施工管理では、知識はもちろんですが経験の有無が重視されます。

転職に関しても建設業界など、同業界の方が有利です。

知識と経験どちらも身につけスーパーゼネコンへ転職するために、最低でも同業界で3年以上の経験を積むようにしましょう

スーパーゼネコンへの就職率が高い大学へ進学する

学生からスーパーゼネコンへ就職するなら、MARCH大学などの有名大学や就職率の高い大学に進学することで有利になります。

また、文系よりも理系出身者の就職率の方が多いので、理系に進むことをおすすめします。

もし既にほかの大学に進学しているという方は、大学院へ進むのもスーパーゼネコンに就職するための1つの手です。

まとめ:スーパーゼネコンの特徴を知って転職を目指そう

スーパーゼネコンとは、売上が1兆円を越えるゼネコン会社5社です。

会社の規模が大きく、日本の伝統的な建築物や海外の工事に携わることができます。また、スーパーゼネコンの年収は1,000万円を越える可能性が大いにあり、とても夢のある企業です。

ぜひ本記事を参考にスーパーゼネコンの特徴を知って、実際に就職・転職を目指してみましょう。