建築業界に転職したいと思っていても、「ブラック企業を選んでしまったらどうしよう……」と不安に思っていませんか?
しかし、建築業界にはホワイト企業も存在しますので、見極めるポイントを押さえていれば良い転職先の発見も不可能ではありません。
そこで、この記事では建築業界におけるホワイト企業の特徴と選び方、おすすめなホワイトの建築会社を5つご紹介します。
建築会社への転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
この記事の内容
建築業界にブラックのイメージがある3つの理由
まずは、建築業界がブラックなイメージを持たれがちな理由を見ていきましょう。
建築業界がブラックなイメージを持たれがちな理由は、以下の3つです。
- 人手が不足している
- 休日が少なく設定されている
- 人間関係や上下関係が厳しい
人手が不足している
まず挙げられる要因は「人手不足」です。
特に若年層は、建築業界に憧れて入職しても、実際に働いてみると思っていた以上に仕事が辛いという理由で辞めてしまう人は少なくありません。
しかし、建設需要はあるため人手不足を補おうと、外国人労働者や高齢者を採用しても供給が需要に追いつかず慢性的な人手不足は解消されないのです。
その結果、限られた人手で仕事をこなすしかないため、従業員一人ひとりにかかる負担は大きくなり、結果的に過酷な条件で働かざるを得なくなります。
この悪循環は建築業界全体に見られる傾向があるため、建築業界がブラックという印象を与えてしまうのです。
休日が少なく設定されている
建築業界は休日が少ないのも、ブラックな印象を与える要因です。
建築業界は納期が決まっているため、いかなる理由があっても企業の信頼を守るためには、依頼主が希望する納期に間に合わせる必要があります。
その結果休日を返上してでも納期に間に合わせようとするので、必然的に休日は少なくなり、さらには長時間労働を余儀なくされるのです。
特に現場作業は体力を消耗するので、休みが十分に取れない長期労働が原因で体調を崩したり怪我をしたりも増えます。
こうした背景も、建築業界がブラックと思われやすい理由です。
人間関係や上下関係が厳しい
建築業界は職人が多いため、人間関係や上下関係が厳しい業界としても知られています。
一人前になるまでには、長い修行期間が必要になることも珍しくありません。
先に挙げた、人手不足や休日も取れない状態に加えて、人間関係や上下関係の厳しさという過酷な環境に嫌気が差し離職する人が多いのも事実です。
こうした理由から、建築業界は俗に言う「きつい」「危険」などのイメージを払拭できないのもブラックな印象を与える理由と言えます。
建築業界のホワイト企業に共通する特徴
それでは次に、建築業界のホワイト企業に共通する特徴を5つご紹介します。
- 働き方改革が推進されている
- スタッフの平均勤続年数が長い
- 年間休日日数が多い
- 正式に高評価を獲得している
- 地方に拠点を置いている
働き方改革が推進されている
建築業界においてホワイト企業かどうかを見極めるには、働き方改革を推進しているかをチェックしましょう。
働き方改革を推進している企業では、週休2日制の導入や長時間労働の削減などの実現に向けた取り組みを行っています。
スタッフの平均勤続年数が長い
スタッフの平均勤続年数が長い企業は、ホワイトである可能性が高いと見ていいでしょう。
長く働く人が多いのは、働きやすい環境が整っているからと考えられます。
企業のホームページで社員の声を公開している場合もありますし、ホームページでわからないときは面接時に確認しましょう。
年間休日日数が多い
年間休日日数が多いのも、ホワイト企業にみられる特徴です。
しかし、働き方改革を推進している企業でも、建築業界では週休2日制の実現が難しいのが現状です。
ホワイト企業かを見極めるには、年間休日日数が120日以上であるかを確認するといいでしょう。
正式に高評価を獲得している
建築業界におけるホワイト企業に共通しているポイントは、正式に高評価を獲得していることです。
公共工事を発注者から直接業務を請け負おうとする建設業者は、「経営事項審査」を受ける義務があります。
経営事項審査はW評点で評価されるので、Wが多いほど高評価を獲得している企業ということです。
地方に拠点を置いている
ホワイト企業の多くは、地方に拠点を置いているのも共通している特徴です。
都心では大型ビルや大規模商業施設などが多い傾向があるため、どうしてもスケジュールが過密になります。
しかし、地方では小規模な依頼が多くなる傾向があるため、スケジュールにも余裕があり休日も確保しやすいのがメリットです。
都心に比べて給料が安くなるのは留意点ですが、休日を重視したい方には地方に拠点を置いている企業が向いています。
おすすめのホワイトな建築会社5選
それではホワイトな建築会社のおすすめを紹介します。
- 株式会社日建設計
- 鹿島建設株式会社
- 株式会社丹青社
- 株式会社竹中工務店
- 住友電設株式会社
株式会社日建設計
会社名 | 株式会社日建設計 |
設立年 | 1900年 |
会社所在地 | 東京都千代田区飯田橋2丁目18番3号 |
平均年収 | 550~700万円 |
平均勤続年数 | 13.6年 |
公式サイト | https://www.nikken.co.jp/ja/ |
株式会社日建設計は、2015年からワンダフル・ワークライフ・ワークプレイス=3Wのキャッチフレーズを掲げ、働き方改革への取り組みを始めています。
また、社員によって異なるライフステージに合わせて仕事と家庭の両立をサポートするために、さまざまな制度や施策を推進しているのも特徴です。
鹿島建設株式会社
会社名 | 鹿島建設株式会社 |
設立年 | 1930年(昭和5年) |
会社所在地 | 東京都港区元赤坂1-3-1 |
平均年収 | 1,128万円 |
平均勤続年数 | 18.3年 |
公式サイト | https://www.kajima.co.jp/ |
鹿島建設株式会社は、「鹿島働き方改革」として「4週8閉所の実現」を目指しています。
「4週8休」の場合、個人で8休を確保できても、現場が動いているとゆっくり休めないため、現場自体を週2日(土日)閉所するのが「4週8閉所」です。
鹿島建設では企業をあげて働き方改革への取り組みを実施しています。
また、休みを確保するのが難しい現場にも、働き方改革を取り入れ実現させる取り組みを行っているのは嬉しいポイントです。
株式会社丹青社
会社名 | 株式会社丹青社 |
設立年 | 1949年10月14日 |
会社所在地 | 東京都港区港南1丁目2番70号 品川シーズンテラス19F |
平均年収 | 757万円 |
平均勤続年数 | 15.8年 |
公式サイト | https://www.tanseisha.co.jp/ |
株式会社丹青社は、2021年に「働き方改革推進委員会」を社内に立ち上げています。
社員を財産と考え働き方改革に関連した法則制強化の側面からの、長時間労働の是正などにも積極的に取り組んでいるのが特徴です。
株式会社竹中工務店
会社名 | 株式会社竹中工務店 |
設立年 | 1937年(昭和12年) |
会社所在地 | 大阪市中央区本町4丁目1-13 |
平均年収 | 989.8円 |
平均勤続年数 | 19.1年 |
公式サイト | https://www.takenaka.co.jp/ |
株式会社竹中工務店は、2024年4月から建設業にも時間外労働時間の上限規制が適用されることを受け、「竹中新生産システム」という独自の働き方改革を展開しています。
社長を筆頭に委員会メンバーが全店を巡回し、多様な働き方の実現に向けた意見交換なども行っています。
また、4週間のうち作業がない日を6日とする「4週6閉所」への実現など、現場で働く人に向けた働き方改革の取り組みを実施しているのも特徴です。
住友電設株式会社
会社名 | 住友電設株式会社 |
設立年 | 1950年4月 |
会社所在地 | 【大阪】大阪府大阪市西区阿波座2-1-4 【東京】 東京都港区三田3-12-15 |
平均年収 | 784万円 |
平均勤続年数 | 17.2年 |
公式サイト | https://www.sem.co.jp/ |
住友電設株式会社は、2024年4月に「改正労働基準法」が建設業へ適用されるのを待たずに、1年前倒しで働き方改革に向けたさまざまな施策を実施しています。
また、育児や介護をしながら働く社員のために、仕事との両立を可能にする支援などにも取り組んでいます。
まとめ
この記事では、建築業界におけるホワイト企業の特徴や選び方、おすすめのホワイトな建築会社について解説してきました。
建築業界はブラック企業が多い印象を持たれがちですが、ホワイト企業も存在しています。
選び方さえ把握していれば、ブラック企業を選んで後悔することもありません。
建築業界への転職を考えている方は、ホワイト企業への転職を成功させるためにもぜひ参考にしてみてください。