積算士の転職方法とは?業界内のキャリアアップを目指す方法も解説

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積算士として働いていて年収アップしたいと思っていたり、より高い年収を求めて積算士に転職したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。

この記事では積算士の仕事内容や転職するメリットなど詳しく説明します。

積算士に興味がある人や、建築業界への転職、業界内でキャリアアップを考えている方はぜひ参考になさってください。

積算士とは?

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「積算士」と呼ばれることが多いですが、実際の資格は「建築積算士」という名称です。

まずは、建築積算士について、以下の内容について説明します。

  • 積算士の業務内容
  • 積算士の受験資格
  • 積算士の年収はどのくらい?
  • それでは詳しく見ていきましょう。

積算士の業務内容

積算士の業務内容はまず図面や設計書から必要と思われる数量を拾い出していきます。

合わせて、どのような工法、施工方法なのか理解することで必要な経費も算出します

さらに、作業人員が何人くらい必要なのか、など検討しながら最終的に適正な工事費を算出することが主な業務です。

正確な見積りを作るためにも、資材の名前や金額、工法内容など専門的な知識が必要になります。

その上で、経験をプラスすることにより、精度の高い見積りを作ることが可能です。

積算してコストを管理しなければ、「完成時に予算オーバーが発覚した」、「想定していた利益が確保できなかった」という事態になりかねない、とても重要な業務を担っています。

設計事務所や建設会社のコスト管理やコスト技術者の部署で仕事をしていることが多いです。

積算士の受験資格

建築積算士の資格に受験資格は不要で、満17歳以上であれば誰でも受験することが可能です。

ただし、図面を引く必要があるため、建築系の学校などで基礎的な勉強をすることは必要かもしれません。

参考図書であるガイドブックを中心に勉強を進めていくことが重要です。

建築業界での経験がない方であれば、基本的な用語の学習から始める必要がありますが、積算の実務経験者であれば、1~2ヶ月の勉強期間が目安となるでしょう。

合格率は60%前後で推移しており、積算の実務経験者にとっては難易度のあまり高くない試験だと言えるでしょう。

建築積算士とは 建築積算士とは

積算士の年収はどのくらい?

転職会議のデータによると、平均年収は422万円です。

20代前半だと平均年収は347万円、40代以上になると平均年収は519万円になっています。

資格を持っていても経験や知識の乏しい20代前半だと年収は低めですが、実力が備わってくるにしたがって年収も高くなっていきます。

専門的な知識が必要な仕事の割に年収が低く感じられるかもしれませんが、他の資格を取得することやコスト管理の専門家として出世することで年収を上げることも可能です。

どのような企業で積算の仕事をするのかによって年収も大きく異なってきますので、なかなか年収が上がらないような環境であれば、経験を活かして転職を考えることも方法の一つです。

 

積算士の基本事項については以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。

annual_midashi 建築積算士の平均年収はいくら?年収UPする4つの方法を解説!

未経験でも積算士に転職できる?

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専門性が高く、やりがいもある積算士の仕事ですが、未経験でも転職することは可能なのでしょうか。

転職に必要な経験や、転職後の資格取得について、気になっている方も多いと思います。
それでは詳しく見ていきましょう。

未経験でも転職できる

未経験でも積算業務に転職することは可能です。

教育体制が充実している企業では即戦力を求めておらず、未経験者を採用し、自社で積算士として育て上げる場合もあります。

またアシスタントとして仕事をスタートして、徐々に実務を覚えていくという働き方もあります。

未経験者でも積算業務に関連性のあるスキルをアピールすることで転職できる可能性が高くなるでしょう。

数字に強いことや、コミュニケーション力が高いということも積算業務に活かすことができるスキルです。

転職サイトを見ると、未経験者でも応募可能な求人が多く掲載されています。

建築関連の学習経験があると採用されやすい

積算の業務の経験はなくても、以前建築業界で働いていたことがある、など建築業界に関する知識が少しでもあると採用されやすいです。

建築について勉強していることや、資格取得を目指して勉強しているということもアピールするとよいでしょう。

一方、建築関連の学習経験がない場合でも即不採用というわけではありません。

積算士の業務では、パソコンを多く使います。

ExcelやWord、PowerPointを実務で使用していた経験や、パソコンに関する資格を持っていることをアピールすることで、採用される可能性が高くなるといえるでしょう。

転職後に資格取得を目指すのもあり

積算未経験の方であれば、資格の勉強をすることで基礎知識を身に付けられるので、おすすめです。

未経験でも積算業務に転職することは可能ですので、一旦積算業務に転職後に、実務経験を積みながら資格取得を目指すのもありです。

未経験者であれば積算士の資格を取得してから転職をするよりも、転職後に資格取得を目指す方が、実務経験を積みながら勉強できる分、仕事も早く覚えられ効率的かもしれません。

女性でも積算士に転職できる?

積算士の仕事は現場での仕事ではなく、事務仕事であり、女性も多く活躍しています。

そのため女性でも問題なく転職することが可能です。

また土日休みで、残業が少ない企業を選べば、家庭を優先して働くことが可能ですので、女性にもおすすめの仕事と言えます。

建築業界の一般事務職から積算士へキャリアアップすることも十分可能でしょう。

積算士に転職するメリット

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異業種から、もしくは建築業界の中でのキャリアアップにて積算士に転職するメリットはたくさんあります。

ここでは次の3つについて説明します。

  • 専門性が高い
  • 仕事がなくなることはない
  • 将来性が高い

それでは具体的に見ていきましょう。

専門性が高い

建築積算士の資格を持っているという事は、建築物の工事費を算定する専門的な知識や、技術を持っているという事の証明となります。

経験が豊富で実力のある積算士が根拠に基づいた工事費用の算出を行うことで、信頼を得ることができます。

建築コストの専門家として仕事をすることが可能です。

仕事がなくなることはない

建築工事の際に工事費を算出せずに工事に着工することはありません。

そのため建築工事がなくならない限り、建築積算士の仕事がなくなることはないと考えられます。

建築積算士は民間工事や公共工事の積算も担当しますが、公共工事であれば、入札に参加する権利を受けるための資格審査でも加点の対象となっており、入札に参加する企業からも必要とされる存在です。

将来性が高い

建築積算士は将来性のある仕事です。

事業主は近年、建築物の省エネ・省CO2化へ対応することが求められており、工事難易度は上昇しています。

それに合わせて積算の難易度も高まりますが、建物の質とコストのバランスを取らなければなりません。

そのため、省エネ基準に準拠した建物などについても正確な工事費を算出できるような、専門的な知識や経験を持っている積算士の需要が高まっています

今後はますます建築物におけるニーズも多様化すると考えられており、さらに積算士の重要度は高くなるでしょう。

積算士で年収の高い会社はどんな会社?

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既に積算士として活躍中の中にはより年収アップのための転職を検討している方も多いでしょう。

そのため、積算士として年収の高い会社はどのような会社なのか以下の3つを紹介します。

  • ゼネコン
  • 大手設計事務所
  • 大手との取引が多い積算会社

それでは具体的に見ていきましょう。

ゼネコン

ゼネコンは企業の体質もしっかりしており、残業代もきっちりと支払われるため、得られる年収は高くなります。

大規模建築や公共工事などを手掛けることも多いため、高い収入を得ることが可能です。

大手設計事務所

大手設計事務所には大掛かりな建築物の依頼が来るため、積算にも専門性が必要です。

社内の積算士の存在は貴重ですので、高年収の確率が高くなります。

大手との取引が多い積算会社

大手のゼネコンや設計事務所から積算業務の委託を受けている会社は年収が高いことが多いです。

基本設計時の概算見積もり、実施設計時の積算などの依頼を大手企業からアウトソーシングとして請け負っており、専門家として第三者目線で工事費を確認することができるため、高収入を実現しやすいです。

まとめ

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この記事では、未経験からでも積算士に転職できるのか、また積算士の仕事内容や転職するメリットなど詳しく説明してきました。

建築物の工事費を必要な建材の数量の拾い出しなどにより、算出する積算の仕事には、未経験でも転職することが可能です。

建築業界での勤務が未経験でも積算業務に関連するスキルがあることをアピールできれば、転職可能な場合があります。

積算業務に転職した上で、「建築積算士」の資格を取得することで、積算士として仕事を行うことが可能となります。

専門性や将来性もある積算士へ転職するメリットはたくさんありますので、興味がある方は検討してみてはいかがでしょうか。
この記事が積算士に興味がある人や、建築業界への転職、業界内でキャリアアップを考えている方の参考となれば幸いです。