積算と見積もりの違いとは?積算の流れやポイントと併せて解説

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皆さんは積算と見積もりという言葉を聞いたことはありますか?

聞いたことはあるけれど、意味や違いなどはよくわからないという方も多いでしょう。

本記事では、電気工事や建設工事などで重要な役割を持つ「積算」と「見積もり」とは何なのか、積算の流れやポイントなどについて説明していきます。

積算と見積もりの違いとは

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まずは積算と見積もりの違いについて述べます。

積算とは

積算とは、簡単に言うと「工事費を算出すること」です

工事の発注が入ると、工事業者はその工事にかかる費用を算出します。

かかる費用と一言で言っても、たとえば工事内容は同じでも時期や立地条件などによってかかってくる費用は全く異なります。

大体で算出するのではなく、工程ごとに細かく出来るだけ正確に費用を算出することが重要と言えるでしょう。

見積もりとは

次に見積もりについて説明します。見積もりとは、「原価に利益を乗せること」

つまり、積算した結果に利益を乗せることです。積算で算出した金額で売却するとどうなるでしょう。

はい、利益がなくなってしまいます。

よって、積算で出した金額に対して適切な利益を加えることを見積もりと呼び、見積もり金額を記載した書類のことを見積書と呼びます。

正確な積算があってこそ、適正かつ理想的な見積もりを行うことができるといえるでしょう。

積算の目的

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次に積算の目的や意味ついて説明します。

積算の目的や意味として、大きく次の3つが挙げられます。

  • 現場ごとに異なる必要な費用を算出する
  • 利益を最大化する
  • 受注率アップにつなげる

以下、詳しく説明していきましょう。

現場ごとに異なる必要な費用を算出する

先述しましたが、積算は大まかではなく出来るだけ正確に計算する必要があります

大まかでよければ、同じ工事であれば前回のデータをそのまま利用できるでしょう。

しかし実際には同じ工事でも工事を行う時期や立地条件などの条件の違いによって、原材料などかかる費用は全く異なってきます。

現場ごとに必要な費用が異なるからこそ、正確な積算が必要であるといえるでしょう。

利益を最大化する

もしおおまかな積算を元に見積もりを行うとどうなるでしょう?

おおまかな積算を元に利益をプラスしていくので、結局おおまかな利益を乗せた見積もりとなってしまいます

おおまかな見積もりで取引すると、最終的に実際かかった費用が積算より多すぎて利益が出なくなってしまったり、そもそも見積書を出した段階で他社との価格競争に負けて取引を断られてしまうことにもなりかねません。

工程ごとの細かで適正な積算を行うことが、利益を最大化できる重要な礎となるのです。

受注率アップにつなげる

前述したような、大まかであったり適当な積算をしている他社がもしいたとします。

そこで正確な積算をすることで、利益が出せるギリギリの見積もりを出せたり、他社との価格競争に勝って受注率アップに繋げられる可能性も高まるでしょう。

積算方法と具体的な流れ

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積算方法と具体的な流れを簡単に説明すると、以下の通りです。

  • 人件費を算出する
  • 材料費を算出する
  • 工事費を算出する
  • 書類を作成する

以下、詳しく説明していきましょう。

人件費を算出する

まず、施工や仕様内容、過去のデータや類似した工事例などを参考にしながら、工事に必要な人数が何人なのか、基準を満たす人数は何人なのかを算定していきます。

工事内容や作業工程によって求められる資格や職種も異なってくるので、正確な算出には経験・知識が必要といえるでしょう。

材料費を算出する

次に、材料がどれだけ必要なのかを、図面や仕様内容、過去のデータを見ながら算出します

見積もった材料の量が多すぎれば材料が残ってしまい利益が下がりますし、少なければ材料が足らなくなってしまうので、同じく経験・知識が必要といえるでしょう。

また、材料の値段はその時期によっても異なるので、値段によっては材質を検討する必要もでてきます。

工事費を算出する

これまでに算出した人件数や材料数に、単価を掛けて工事費を算出します

単価は、工事によって異なるので、積算資料や材料物価などを参考にするとよいでしょう。

人数や材料数に間違いがあると、ここで大きな誤差が出てしまうので、まず正しい人材数と材料数を算出することが重要です。

書類を作成する

積算を行った後、書類作成を行います。

書類作成では、工事ごとに細かく数や内容や仕様などを詳しく記載します。

どの工程にどの費用がかかるのか、詳しく記載することで見積もりを正確に出すことができるでしょう

積算をする際のポイント

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次に積算をする際のポイントについて説明します。

ポイントとして、大きく次の3つが挙げられるでしょう。

  • 事前に施工計画を立てる
  • 労務費を適正に算出する
  • 積算見積ソフトを利用する

以下詳しく説明していきます。

事前に施工計画を立てる

まず、積算をする前に行うのが、施工計画を立てることです。

施工計画とは、工事を安全かつスムーズに進める為の書類で、必要な管理や工事計画などを詳しく記載したものになり、工事を進める基本となるものといえるでしょう。

施工計画は工事開始の3週間前には提出が必要で、積算の際にも参考にする書類となる為、積算の前に作成する必要があります。

労務費を適正に算出する

次に積算をする際のポイントとして労務費を算出することが挙げられます。

労務費とは、直接工事費の一つで直接建設に関わる職人の給料のこと。

計算式は、労務費=必要人数×労務単価となります。

この労務単価の算出には、建築保全業務労務単価などを用いるのが一般的でしょう。

積算見積ソフトを利用する

次に積算をする際のポイントとして、積算見積ソフトを利用することが挙げられます。

積算を算出する際には、過去のデータや類似した工事の記録、図面や仕様書などを参考にしながら正確な数字が求められます

積算した結果予算を超えてしまっている場合などは、積算を行った人のアイデアや工夫も必要となり、多くの知識と経験が必要な仕事といえるでしょう。

人材育成には時間やお金もかかってしまいます。

その積算を助けてくれるのが積算見積ソフトです。

積算見積ソフトは、図面などから必要材料を読み取ったり、積算から見積もり額を出してくれたり、積算業務をサポートしてくれるソフトです。

無料のものもあるので、積算業務を行う際には役立つツールと言えるでしょう。

積算ソフトについては、以下記事でも詳しく解説しています。

まとめ

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以上、積算と見積もりについて説明しました。

積算と見積もり、聞きなれない言葉だったと思いますが、少し理解できたでしょうか。

積算と見積もりは、あらゆる工事で必要なものといえます。

あなたがこれから何かの工事に関わる際に、この知識を活用していただきたいと思います。