電気工事は1人工の場合、どれくらいの単価なのか気になりませんか?雇われている場合と給料と独立して1人工で稼ぐ場合とどちらが稼げるのか知りたい方もいるでしょう。
結論、一般的には独立して1人親方になるほうが稼げると言われています。では、1人工での単価はどれくらいなのか、計算方法や各作業での相場をご紹介します。
この記事の内容
電気工事(1人工)の単価
電気工事の単価ですが、1人工の場合は2万円ほどが相場とされています。しかし、これは作業内容によって変わるためあくまで目安です。都道府県によっても異なるので注意が必要です。
また、人を雇っている1人親方の方が個人で電気工事するより幅広い仕事を引き受けることが可能なため、単価が高くなることもあります。そのため、個人事業主として開業しようとしている方は請け負う仕事範囲なども考慮すべきでしょう。
加えて個人事業主として開業する場合は労災保険などへ加入しなければいけないため、少し単価が下がってしまうことを考慮しなければいけません。
ただ、雇用されているより独立し1人親方で活動する方が単価は高い傾向があります。
作業内容ごとの相場
作業内容ごとの相場をご紹介します。個人事業主になった場合自分である程度価格設定が可能です。しかし、相場より高すぎると依頼が来ないこともあり得るでしょう。
価格設定の参考に各作業での相場を参考にしてみてください。今回は以下の5つの作業をご紹介します。
- 防犯カメラの設置
- コンセントの設置
- パソコン配線
- LAN工事
- 照明器具取付
防犯カメラの設置
防犯カメラや人感センサーの設置に5万円からが相場とされています。使うものや工事方法によっては10万円を越えることも珍しくはありません。
現在一般家庭でも取り入れる人が増えてきており、建築中の住宅だけでなく既存の住宅に設置する依頼も多くあります。また、企業や商業施設では必ず設置するため、需要がある業務でしょう。
コンセントの設置
コンセントの設置は約5,000円から行う企業もあります。しかし、ブレーカーの設置などと合わせると10万円以上かかることもあります。
一般家庭や企業からコンセントを増設してほしいと依頼がくることもあるでしょう。しかし、コンセントは簡単に増設できるものではないため、工事内容によっては10万円以上かかることもあります。
パソコン配線・LAN工事
パソコン配線やLAN工事の相場は15万円以上といわれています。これは一般家庭か大規模な企業かによっても変わるでしょう。
パソコンやLAN使用する人数によって工事内容は変わります。
照明器具取付
照明器具取付の相場は電気コンセントや分電盤に照明器具を設置する費用を合わせた場合2万円くらいからとされています。
また、設置場所によっては配線が長くなり、材料費が高くなることもあります。その場合は工事費用も高くなるでしょう。
また、照明を増やすだけでなくスイッチを増設する作業も増えることがあります。その際に既存のスイッチを交換する必要が出てくる可能性もあり、見積をしっかりする必要があります。
基本的に各工事は電気工事のみの価格となっています。リフォームや新たに配線工事や照明の取り付けなどを行う場合は、壁に穴を空けたりなど別途の工事費用が発生する場合があります。
電気工事(1人工)の計算方法
電気工事は労務費、材料費、運搬費、歩掛を合計することで計算できます。各項目の費用に関して解説します。
労務費
労務費とは簡単に言うと人件費のようなものです。ただ人件費には製品の製造に関わる人の労働費や販売する人の労働費などが含まれます。
労務費は製造に直接かかわる人の労働費です。この労務費ですが、国土交通省で都道府県ごとに定められています。
■各県の労務費(単価:円)
青森県 | 19,200 |
東京都 | 25,500 |
大阪府 | 21,300 |
材料費
材料費とは、作業に必要な機材の費用を指します。材料費は「材料単価×個数」と手軽に計算できるでしょう。
運搬費などの経費
運搬費や交通費も単価に含まれます。遠い場所での作業になると、より運搬費や交通費が高くなるため単価が高くなります。
また、大きい機材などを使用する場合は運搬費が高くなるでしょう。
歩掛
歩掛とは「ぶがかり」と読み、各作業にかかる手間を数値化したものです。これは作業ごとに適正な価格を計算するためにしようします。電気工事は基本的に時間単価ではありません。
歩掛がどの作業も一律だと難しい作業ほど手間がかかり単価が下がってしまいます。作業に対して適正な単価を設定するために、国土交通省では歩掛を作業ごとに設定しています。
単位は人工(にんく)といい、1人工は1人の作業員が8時間で行える作業量を示しています。これも国土交通省の公共建築工事標準単価積算基準で基準を定めており、参考にして価格設定を行っている会社が多いでしょう。
電気工事(1人工)の単価を上げる3つの方法
もし、独立して1人親方になるならば、高単価を目指したいでしょう。電気工事の単価をあげる工夫をご紹介します。
具体的に単価をあげる方法は、以下の3つがあります。
- 労務費の高い地域で開業する
- 第1種電気工事士の資格を取得する
- 認定電気工事従事者など資格を取得する
労務費の高い地域で開業する
まず、単価を上げるには労務費の高い地域で開業することがおすすめです。前述しました通り、労務費は各県で異なります。
例えば、青森県では19,200円ですが、東京都では25,500円です。同じ作業を行っても沖縄より東京の方が稼げることは明確です。ただし、この労務費は変更されることがあるため注意しましょう。
国土交通省で変更に関して連絡があるためチェックしておくことがおすすめです。
また、労務費が高い地域はライバルが多いことも理解しておく必要があります。多くの建設業や管理業者があり、仕事を奪い合うことになる可能性も考えられます。
もし大手企業に仕事を取られてしまったら1人親方では厳しいでしょう。ただ、人口も多いため仕事量は多いと考えられるため一概に仕事が無いとは言えません。
労務費が高い地域で開業するメリットやデメリットを考えることも重要です。
第1種電気工事士の資格を取得する
第1種電気工事士の資格を取得すると単価が上がる可能性があります。第1種電気工事士の方が、第2種電気工事士よりさまざまな作業ができます。そのため、より単価の高い作業が行え、同じ時間作業していても単価が上がるのです。
では具体的に、第1種電気工事士と第2種電気工事にはどのような違いがあるのでしょうか。主な作業内容に以下のような違いがあります。
第1種電気工事士 | 第2種の範囲に加え、最大電力500kw未満の工場やビルなどの工事 |
第2種電気工事士 | 一般住宅や比較的小規模な店舗などの600V以下で受電する設備の工事 |
第1種はビルなど大掛かりな工事へも行えるため、一度にたくさんの仕事を受けることもできるでしょう。
また、第2種電気工事士の資格のみでは依頼可能な範囲に限りがありますが、第1種電気工事士ならより広範囲の作業を依頼できます。よって、仕事の獲得もしやすくなるでしょう。
認定電気工事従事者など資格を取得する
電気工事に必要な資格は、第1種電気工事士や第2種電気工事士以外にもたくさんあります。これらの資格を持っていると、より専門的な知識を生かし作業ができます。
資格を持っていることで依頼者も安心できるでしょうし、高いクオリティの作業の場合は単価が高くても納得されるでしょう。
電気主任技術者 | 変電所や発電所、ビルや工場などの電気設備の保安監督ができる |
電気工事施工管理技士 | 特定建設業の監理技術者、専任技術者として働ける
施工計画書の作成や安全・品質管理、電気工事の監督といった業務を行える |
電気通信主任技術者 | 事業用電気通信設備の工事や維持、運用の監督を行える
電気通信事業者にはこの資格を持つ人を選定するよう義務づけられている |
電気通信の工事担任者 | 電話やインターネットの回線工事などを行え、建物内の回線やネットワーク環境を整えるうえで欠かせない |
技術士(電気・電子) | 自治体や企業、自営でコンサルタント業務や技術指導などができる |
消防設備士 | 消防設備の整備・点検や消防設備の工事などが行える |
電気通信工事施工管理技士 | 建設や増築などで必要な電気工事に関する施工計画の作成や工事現場における工程・品質・原価・安全などの管理、電気工事の監理を行る |
上記の資格はより専門的で、難しい資格もあるため重宝するでしょう。電気通信の工事担任者の資格が無いとインターネット回線工事など行えないなどの制限もあります。
このような幅広い職種の仕事を引き受けるなら資格の取得をおすすめします。また、独立後に従業員を増やし、大規模な工事も引き受けたいと考えているならば主任技術者などの監督もできる資格をもっているといいでしょう。
まとめ
本記事では電気工事(1人工)の場合の単価や単価をあげる方法をご紹介しました。
建設会社などで勤務しているよりも独立した方が、単価が高くなりますることがわかりました。また、単価をあげるためには労務費の高い都道府県で開業したり、より専門的な資格を取得したり工夫することも可能です。
現在行っている作業の単価を計算し給料と比較してみても良いでしょう。